心の砂地

Globalkiss的な愛の考察。

すべての愛は消耗品である⑥ -2015best-

河童の三平」をぱらぱらとめくっていたら、アパート、原田さんの顔が頭から離れなくなった。長い手足を持ってひょろひょろとしている彼もまた妖精、もしくは妖怪だと思われる。言葉の使い方が独特なのも納得できますね。

アパート、2ndアルバムリリースが控えていますが、今回は2015年に原田さんが喰らったものたちを紹介します。もしかするとアルバムの理解を助けるかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年は自分のことが忙しくて、ほぼ全く新譜を聞けていない状況(ここに寄稿する資格も怪しい)だが、

自分なりの総括をやってみようと思う・・・。
 




音楽


1.Flying Lotus /Cosmogramma(2010)
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 なんとなくぶらついてる時にiphoneで聴いたFlying Lotasのビートは、過剰な生が充溢する街の死に対する遅延感、欺瞞を見抜いたかのように鳴り響き、そのまま僕の脳髄を直撃してしまった。彼方に感じる退廃のイメージがすれ違う人々を虹のように幻視させ、その知覚に対して恐怖ではなく自由や美意識に通じるものをみた僕は、人は死を恐れてはじめて人間的な行動に駆り立てられるのかもと思い、結果、更に自分を過剰な生の中へと追いやっていく事に。
但し、確固たる信念を携えて。。。
音楽的なことはわかりません。
 
 
 
 
 
 
2.Animal Collective / Feels(2004)
 
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Stievie WonderのSir Dukeという曲が好きだ。「音楽はそれ自体がひとつの世界で、誰もが平等に歌い、踊り、そして手拍子する権利があるんだ。」というラインが素晴らしくて、モータウンのコンピで対訳を見た時、すぐに僕は2014年の手帳にボールペンで書き写したのだった。
今の音楽業界にお金が回らない状況に、そんな資本のシステムとは関係なしに僕らは音楽を作り、友達の歌に感動するだろうという姿勢を取るひとも、いや、何とか立ち行くための方法を探そうと、でもそのやり方がわからないままに時が流れて歯痒い思いをしているひともいる。
 その両方を見てしまった僕は、どうすればいいのだろうかという問いに、
「いい音楽がそのひとの胸に流れればなんだっていいじゃない」という回答のひとつに感じて、一先ず、心地よくビートに委ねさせてもらったアルバム。
 
 
    
 
 
 
 
3.Talking Heads / Stop Making Sense(1984)
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DVDで購入。黒人と白人が一緒になってやっているのがすごい。
知性と肉体のバランスを感じた。禁止や統制は生命が持つ動物性、エネルギーを封じることに繋がり、暴力や侵犯は理念や未来へ人が感じられる想いの力を削ぐことになる気がする。だけど、この二つがアートにおけるエネルギー源であることには徐々に確信を持ちはじめている。
永遠の禅問答の答えを16ビートの中で探し続ける日々。
バンドも今はその辺がテーマだったりする。
 
 
 
 
 
4.Eliott Smith / XO(1998)
 
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おこがましいけれど、アルバムを作れば作るほど、自分ひとりの才能のなさに絶望してしまい、孤独に向き合うエリオットを重ねて慰めていた。わかりあえないものに対してNOと言ってしまったが故の孤独を知っている人だと思う。
だけどそれこそが人間の本懐じゃないかと思う。否定しなければ、何も生み出すことはできない、破壊し尽くすだけじゃないかと、橋の下でビール飲んで、遠くのビルの輝きを、録ったデータ聞きながらひとり見つめていた・・・。
 
 
 
 
5.Boogie Down Productions / Criminal Minded(1987)
 
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音が出る、作る、原初の喜びを捉えたアルバムが好きで、これも 遂にサンプラーHIPHOP史に登場して、やったった的な感じが最高のアルバム。
何が言いたいかというと「これなら俺でもできそうだ」が自分にとっては重要ってこと。
 

   Boogie Down Productions - The Bridge Is Over - YouTube

 
 
 
6.Roxy Music / Avalon(1982)

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80年代初期、後期と08~12年位に密接なリンク感を勝手に感じているのだけれど、白人と黒人のクロスオーヴァーの感覚を個人的に捉えていて、前述のTalking Headsと併せてこちらも良く聴いた。
ゲートリヴァーヴを多用するスティーヴリリーホワイトのプロデュースであることも
結構新しい発見をもたらしてくれた気が。余談だけれど、自分の曲のミックスを大貫妙子さんの「都会」っぽくしてくれと頼んで、返ってきたのがカチカチのゲートのかかったハットで、あの時代の日本のアルバムの空気を感じるのに点が線でつながった気がして、今年3番目位に興奮した。ちなみにミックスはやり直して貰う事に(ごめんなさい)。
   XTCのBlack Seaもリリーホワイトらしい。。。ほ〜〜〜。
 
 
 
 
7.Cluster / Zuckerzeit(1974)

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 坂本慎太郎さんの音楽の話をする機会は、まあバンドもやってるし(どっちかというと
  聴く方がメインだけど)、多くて、このアルバムにもそのエッセンスを感じて、また「ここですか・・」
  となった。結構年1回の恒例行事みたいになってしまって、2013年はKinksの3rd、14年は
  アシュラテンプルのゲッチングがソロになる前の。ビートパターン・・・。
  それだけじゃなくて、個人的にJuno-106というシンセを手にいれて、更に入り込めるようになった
  アルバム。音楽を作るために頑張っているのもあるが、やはりもっと音盤のことがわかりたいという
  欲求でやってしまっている僕は、音楽家というのがあるのなら失格だと思うし、
  今後もそれで構わない気がするけれど、これは仕事やバイトをやるにしても形を変えて、
  墓までついてくるのかな。
 
 
 
 
 
8.Gal Costa / Canter(1974)

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正月は雪が降った。京都の路面は凍っていて、ひとりエムジーに25時位、中華そば(ゆで)を買いに行った。そう、このアルバムを聴きながら。「バリ滑るやん」って誰かに聞こえる声で言ってみたりね。
 人を本当に可愛くさせるアルバム。2015年のはじめは、まだ街に対してとても怒っていて無責任な革命を夢見ていたと思う。だけど、これを聞いた時に怒りも一緒に雪解けのように溶けていった気がした。
太陽が昇り、沈んでゆく、当たり前の移ろいに対して、自分や人の小ささを哀しみと共に感じていたい時に流すアルバム。
 
  
  
 
 
9.Marcos Valle / Previsao do tempo(1973)

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こちらもブラジリアン。ブラジルポルトガル語の言葉の詰まり方は独特で、滅多に語気が伸びない気がする。日本語はやっぱコブシ感でてしまうし、英語はSpeak感が強い気が。
マルコスはサンバも作るし、音楽優等生であることがバチバチに伝わってくる。
前述のアルバムと同じで、いかに海外のポップスと自国の文化をミックスするかに念頭が置かれて、それが花開いたアルバムのひとつだと思う。
モーグの音色とジャケットが印象的。Tahiti80が新譜でマルコスをカヴァーしてた(1stにはByrdsのカヴァーが入ってたり本当に僕にとって道標となるバンド)。
 
 
 
 
 
10.Shuggie Otis / Inspiration Information(1974)
 

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  誰にだって孤独から逃れたい、ひとつになりたいと思う気持ちがあって、理性で人生を進めていく度合いが大きくなればなるほど安心に身を委ねたい、逃げたいという気持ちも強くなってしまう気がする。
今年はRECばかりやってて8月位は色々限界だったので、このアルバムを聞いて思考を停止する時間を設けていた。やっぱり恋をしてダラダラ生きるのが俺の人生のすべてだと思いたい時のアルバム。帰ったときに、やっべ、あの女の子にミスった事言っちゃったなーとか罪を感じたときに聴くのがオススメ。
 
 
 




映画

ビッグリボウスキ / コーエン兄弟
髪結いの亭主 /パトリス・ルコント
グッドウィルハンティング/ ガス・ヴァン・ザント
ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール /スチュアート・マードック
監獄ロック /リチャード・ソープ
 




書籍


ビギナーズ資本論 / マイケル ウェイン
スローなブギにしてくれ /片岡義男
なんとなくクリスタル /田中康夫
音楽 / 三島由紀夫
自然のレッスン /北山耕平
ツァラストゥラかく語りき / フリードリヒ・ニーチェ
季節のない街 / 山本 周五郎
 


割愛します、ごめんなさい・・・
興味がある方、是非、
直接お話ししましょう。
 



 



総評:すごい1年だった。もうこんな年は来ないんじゃないか。
   H2(あだち充)で、英雄がたぶんこんな夏はもう来ませんよって言ってた感じと
   同じというか、自分の青年期を閉じようとしている気がした。
   来年もよろしくお願いします・・・。



 
 
書き手:アパート/原田(@chap3_harada)

http://apart-505.tumblr.com/